アンチエイジングの鍵は「若返り脳」! 職場で今すぐ使える音楽の力と実践法。

医師で音楽療法士の板東浩です。

専門は抗加齢医学(アンチエイジング)で、長年にわたり人々の健康と若さを保つための研究と実践に取り組んできました。私自身、1999年から2003年にかけてアイススケートで国体に出場し、現在もマスターズ陸上や野球を続けるなど、スポーツを通じた健康維持を実践しています。こうした経験から、心身の健康を保つためには、運動だけでなく、音楽が果たす役割も非常に大きいと実感しています。

職場環境が健康やパフォーマンスに与える影響は計り知れません。その中でも「音楽」は、リラクゼーションや集中力の向上だけでなく、脳の若さを保つ「若返り脳」の効果も期待される重要な要素です。今回は、私が培った知識と経験を基に、音楽を活用して職場環境を改善し、若さと健康を維持するための秘訣を探ります。

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目次

音楽がもたらす若返り脳の効果

音楽は単なる娯楽にとどまらず、脳に対して非常に強力なアンチエイジング効果を持っています。年齢を重ねるにつれて、脳は萎縮し、神経細胞やシナプスが減少していきますが、音楽はこのプロセスを遅らせる可能性があります。音楽を聴くことで、右脳が感情や創造性を、左脳が論理的思考や言語処理を活性化し、脳全体がバランスよく刺激されます。このバランスの取れた刺激が脳内の神経ネットワークを強化し、認知機能を維持・向上させます。特に職場での音楽利用は、脳の活性化とストレスの軽減を日常的に促進し、若々しい脳の状態を保つ手助けとなります。

脳の領域役割音楽による刺激若返り効果
右脳感情の処理、創造性の発揮高周波音や複雑なハーモニーを通じて刺激感情のバランスを保ち、創造力を維持
左脳言語処理、論理的思考、分析力低周波音やリズムの安定性を通じて刺激集中力の向上、認知機能の維持

楽器別!若返り脳を促す音楽の選び方

職場で音楽を効果的に活用すれば、パフォーマンスと健康を大きく向上させることができます。音楽は、選び方によって脳の異なる領域を刺激し、業務内容に応じた効果を発揮します。

例えば、朝の始業前にはリラックスできる音楽を流すことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、一日のスタートを穏やかに切ることが可能です。クリエイティブな作業には、高周波成分を多く含む楽器(ハープやフルートなど)を使った音楽が適しており、右脳を刺激して創造性を引き出します。一方、データ分析や論理的な作業には、低周波成分を持つ楽器(チェロやバスギターなど)の音楽が左脳を活性化し、集中力や作業効率を高めます。

さらに、音圧やリズムの選び方も重要です。強い音圧や規則的なリズムを持つ音楽は集中力を高め、業務の効率化に貢献します。これらの要素をバランスよく組み合わせることで、リラックスしながらも高い集中力を維持でき、職場全体が活力に満ちた空間となり、アンチエイジング効果も実感できるでしょう。

楽器周波数音圧脳への影響と若返り効果
フルート高周波柔らかい右脳を刺激し、創造性とリラックスを促進
チェロ低周波深い左脳を活性化し、集中力と論理的思考を強化
ハープ高周波繊細右脳を刺激し、感情の安定とリラクゼーションを促進
ピアノ幅広い調整可能両脳をバランスよく刺激し、脳全体を活性化
バスギター低周波強い左脳を刺激し、集中力と分析力を強化
シンセサイザー広範な周波数調整可能左脳を刺激し、論理的思考をサポート

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科学で証明!職場の音楽と若返り脳の関係

職場での音楽利用がアンチエイジングに繋がる背景には、確かな科学的根拠があります。音楽は脳内の神経伝達物質であるドーパミンやエンドルフィンの分泌を促し、気分を高揚させ、ストレスを緩和します。これにより脳内の酸化ストレスが軽減され、老化の原因となる細胞損傷が防止されます。また、音楽が脳波に与える影響により、集中力を高めるβ波やリラックス効果のあるα波が調整され、脳の若さを保つ効果が期待されます。特に、規則的なリズムの音楽は脳内のシナプス結合を強化し、認知機能の低下を防ぎます。このように、音楽は職場でのアンチエイジングに理論的にも効果的なツールとして活用できるのです。

音楽の要素脳への影響若返り効果
ドーパミン分泌気分の高揚、モチベーションの向上ストレス軽減、脳の酸化ストレスの抑制
エンドルフィン分泌幸福感の増加、痛みの緩和脳のリラクゼーション、細胞の老化を防ぐ
α波誘導リラックス状態の促進脳のリカバリー、ストレスの軽減、記憶力の維持
β波誘導集中力と覚醒状態の維持脳の活性化、集中力の向上

おわりに

音楽は、脳をバランスよく刺激し、アンチエイジング効果をもたらす強力なツールです。職場での音楽の戦略的な活用により、脳を活性化させ、若さと健康を保つことが可能です。音楽を取り入れたオフィス環境を作り出し、エネルギッシュで若々しい職場を目指しましょう。

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執筆

板東 浩(ばんどう ひろし)のアバター 板東 浩(ばんどう ひろし) 医学博士 日本統合医療学会四国支部長

徳島県糖質制限研究会代表 ​ 徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。 糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2024)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文400以上。「新老人の会」徳島代表。

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