職場BGMを流すことに、どんな意味があるんだろう?
自分の好きな音楽や流行の音楽を流してもいいものか?と職場でBGMを流すことに疑問や悩みを持っている人もいるでしょう。
意外かもしれませんが、職場でBGMを流すことで、コミュニケーションの活性化をはじめとした、さまざまなメリットがあります。
しかし、自分の好みや流行だけで音楽を選定してしまうと、思わぬトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
そこで本記事では、職場にBGMを流すことで得られる効果やBGMの選び方、注意点を紹介していきます。
- 職場にBGMが必要な理由
- 職種別のBGM導入のメリット
- 職種ごとにBGMを選ぶポイント
- 職場のBGMを選ぶ注意点
この記事を最後まで読むことで、職場や目的にあったBGMを選べるようになるので、BGM選定に悩んでいる人は参考にしてみてください。
職場にBGMが必要な5つの理由
近年、職場環境改善の一環として、BGMによるオフィスデザインに注目が集まっています。
BGMを流すことで、どんなメリットがあるのか気になりますよね。 そこで、職場でBGMを流すことで得られる効果を5つ紹介します。
- 会話がしやすい環境を作れる
- ストレス軽減効果が見込める
- タイムマネジメントにつながる
- モチベーションアップが期待できる
- 企業イメージの醸成につながる
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
1.会話がしやすい環境を作れる
職場にBGMを流すことで、社員同士のコミュニケーション促進効果を期待できます。
BGMの流れていない静かなオフィスでは、会話をすると目立ちすぎてしまうため、他の社員に話しかけることを躊躇してしまうでしょう。
とくに新入社員は、わからないことがあっても話しかけることができず、ためらう場面が少なくありません。
BGMを流すことで、職場の緊張感が和らぎ、自然に会話ができる環境に変えられます。
自然に会話ができる環境が整えば、社員同士の関係が深まり、情報共有やサポートも活性化するでしょう。
また、BGMには同じ周波数の音をかき消す、マスキング効果というものがあります。
周囲に会話を聞かれたくない場合などは、BGMをかけることで会話の内容から情報流出を防ぐ効果もあります。
2.ストレス軽減効果が見込める
BGMの導入効果には、社員のストレス軽減効果があります。
テンポの速い音楽は活力を与える効果があり、ゆっくりとしたテンポの曲には不安や緊張を緩和する効果があるといわれています。
そのため、職場内の緊張を和らげたいときには、ゆっくりとしたテンポの癒やし系BGMを選ぶと効果的です。
職場にストレスを感じた状態で業務を継続すると、業務効率が低下し社内全体の生産性低下につながりかねません。
そこで、心が落ち着くBGMを導入すれば、社内にリラックスした雰囲気が作り出されて、社員のストレスを軽減できます。
その結果、社員が業務に集中できる職場環境になり、社内全体の生産性がアップするでしょう。
3.タイムマネジメントにつながる
職場で流すBGMを時間帯で固定すると、社員のタイムマネジメントにつながります。
音楽で定刻を知らせる例として、学校の始業時間や終業時間を知らせるチャイムや、デパートの閉店前に流れる蛍の光があります。
しかし、学校のチャイム音のような無機質な音を、職場で流すことに否定的な人も少なくありません。
そこで、チャイムの代わりにBGMを流すことで、社員に不快感を与えず特定の時間が来たことを知らせることが可能です。
社員は休憩時間や終業時間を意識して仕事ができるようになるため、業務にメリハリが生まれるでしょう。
その結果、BGMによるタイムマネジメントは、業務効率化や生産性のアップにつながるなどの効果を期待できます。
4.モチベーションアップが期待できる
職場にBGMを導入することで、仕事に対するモチベーションをアップさせることが可能です。
BGMにはイメージ導入効果というものがあり、BGMのリズムや曲調によってその場の雰囲気を変えることができます。
例えば、落ち着いたゆったりとした曲調のBGMをかけるとリラックスした雰囲気に、アップテンポで明るい曲調のBGMをかけると活気のある雰囲気になります。
仕事中、常にモチベーションの高い状態を維持できればいいですが、気分が乗らない日や集中力が続かない日もあるでしょう。
そんなとき、モチベーションをアップするようなBGMを流すことで、社員のモチベーションが上がり、業務の質や効率を向上させられます。
5.企業イメージの醸成につながる
職場にBGMを導入することで、企業イメージの向上に効果を発揮します。
オフィスが大きく、用途に応じたスペースが確保されている場合、スペースの活用方法に応じてBGMを選定するのもおすすめです。
例えば、求職者の面談をするブースに企業イメージが向上するようなBGMを流すと、求職者の就職意欲を高めることにつながるため、優秀な人材の確保にも効果を期待できるでしょう。
また、社外の人が訪れるエリアにBGMを流すことで、洗練された雰囲気や上質な空間を演出でき、BGMがクライアントとの会話が弾むきっかけになるかもしれません。
BGMは企業のブランディングにもつながるため、来客の多いオフィスでは、自社の目指すイメージに合うBGMを慎重に選ぶことが大切です。
ここでは、職場でかけるのに相応しい、穏やかなメロディと心地よいリズムの音楽を紹介します。
【職種別】5つの職場ごとのBGMの効果と選び方
BGMは、リズムや曲調によって、得られる効果が異なります。
そのため、職場にBGMを導入する際は、目的に合ったものを選ばなくてはいけません。
ここからは、以下の5つの職場ごとにBGMの選び方と得られる効果を紹介します。
- オフィス
- デザイン・広告など
- 工場・作業場
- 医療・福祉施設
- 美容室・サロン
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
1.オフィス
オフィスにBGMを導入することで、社員の集中力アップとマスキング効果が期待できます。
時間帯に応じてBGMを変更すると、仕事にメリハリを付けられるので、業務効率化や生産性のアップも期待できるでしょう。
BGMを流すことで会話の内容が外部に漏れるリスクを軽減できるので、機密事項やクライアントとの会議も安心して行えます。
ただし、オフィスでBGMを流す際は、選曲に注意しなくてはいけません。
歌が入ったBGMを選んでしまうと、歌詞に気を取られ、集中力の妨げになります。
そのため、オフィスで流すBGMは、歌の入っていないインストゥルメンタルのものを選ぶのがおすすめです。
時間帯によってBGMを変える場合は、1日で最も集中力が高まる午前中にクラシック、眠気が強まる午後にアップテンポなBGMを選定するといいでしょう。
2.デザイン・広告など
デザイン会社や広告会社などでBGMを導入すると、社員の集中力向上と作業効率アップが見込めます。
BGMにはストレスを軽減する効果があるため、リラックスした雰囲気が生まれ、集中力を高められます。
また、BGMによって業務にメリハリが生まれ、作業効率化や生産性のアップが期待されます。
また、会話をしやすい雰囲気が生まれるため、チームのコミュニケーションが活発になり、プロジェクトがスムーズに進行するでしょう。
デザイン会社や広告会社でBGMを選ぶ際は、ポップミュージックやテンポの速い曲がおすすめです。
モチベーションがアップするような曲を選ぶことで、創造力やクリエイティブな思考が刺激されます。
ただし、自分の好きな曲や歌のある曲をかけると、集中力を妨げることにつながりかねないため注意が必要です。
3.工場・作業場
工場や作業場でBGMを導入すると、作業効率の向上と残業時間削減の効果が見込めます。
BGMが職場の一体感を作り出し、集中力を向上させてくれるため、生産性がアップすると言われています。
しかし、工場や作業場では、反復作業が多いため、歌詞のあるBGMを流してしまうと集中力の妨げになりかねません。
工場や作業場で流すBGMは、作業に集中できるよう、歌の入っていないインストゥルメンタルのBGMを選ぶのがおすすめです。
また、作業内容に応じてBGMの速さを変えたり、時間によってBGMを変更すると、より生産性がアップするでしょう。
4.医療・福祉施設
医療・福祉施設でBGMを導入すると、患者や利用者をリラックスさせる効果とマスキング効果が期待できます。
患者や利用者の中には、病院に緊張感や不安を抱く人も少なくありません。そのため、多くのクリニックや福祉施設では、緊張緩和を目的にBGMを採用しています。
そして、BGMをかけることで会話が周囲に聞こえにくくなるため、患者や利用者の機密を守ることにもつながります。
医療・福祉施設でBGMを選ぶ際は、クラシックやヒーリングミュージック、ピアノ音楽がおすすめです。
ゆっくりとしたテンポの落ち着いた曲を選ぶことで、緊張の緩和に効果を発揮します。 また、診療科目に応じてBGMを変更するのもおすすめです。
例えば、小児科であれば子供向け番組のオルゴール音楽、産婦人科では明るく晴れやかなインストゥルメンタルなどを選ぶといいでしょう。
5.美容室・サロン
美容室やサロンでBGMを流すメリットは、お店のイメージ作りができる効果とマスキング効果が期待できます。
お店の雰囲気とBGMのジャンルをあわせることで、お客様にお店の印象を定着させられます。
例えば、明るい雰囲気ならポップなBGM、落ち着いた雰囲気ならゆったりしたリズムのBGMを選ぶのがおすすめです。
そして、BGMにはマスキング効果があるため、美容室やサロンでBGMを流すことで、他の美容師やお客様の会話が気になりにくくなります。
マスキング効果によって、お客様に落ち着いて施術を受けてもらえるでしょう。
美容室やサロンで流すBGMを選ぶときは、お店の雰囲気や客層にあわせて選ぶことが大切です。
若者向けのお店なら流行のポップスやダンスミュージック、大人向けのお店ならジャズやクラシック、ナチュラルな雰囲気のお店ならヒーリングミュージックを選ぶといいでしょう。
職場のBGMを選ぶときの3つの注意点
職場で流すBGMは、どれでもいいというわけではありません。職場のBGMを選ぶときには、以下の3つの注意点があります。
- 著作権を確認する
- 音量に気を付ける
- 選曲はこまめに見直す
ここからは、BGMを選ぶ際の注意点を紹介するので、職場に音楽を流したいと思っている人はチェックしておきましょう。
1.著作権を確認する
音楽には著作権があり、著作権法に則って使用する必要があります。
著作権で保護されている音楽を職場で流す場合は、JASRACやNexToneなどの著作権管理団体と契約して、著作権使用料を支払わなくてはいけません。
ストリーミングサービスやCDを流してしまうと、著作権法違反で罰則を受ける可能性があります。
BGMを流す際に使用料を支払いたくないという場合、著作権フリーのBGMを選ぶのがおすすめです。
著作権フリーのBGMには、著作権者が亡くなって50年以上経過している楽曲か、著作権者が著作権フリーだと提示している楽曲です。
著作権フリーのBGMを探せるサブスクリプションも存在するので、音楽選びに悩んでいる人は活用してみてください。
2.音量に気を付ける
職場でBGMを導入する際には、音量設定に気を付ける必要があります。
職場でBGMを流すのに最適な音量は、音楽を楽しみながらも業務に集中できる40~50db程度です。
BGMを40~50dbに設定することで、会話や集中作業の邪魔にならなず、社員がリラックスしながらも効率的に働ける環境を提供できます。
BGMを60db以上に設定すると、地下鉄の車内と同等の音量になってしまうため、音楽がうるさくで業務に集中できなかったり、会話が聞き取りずらくなってしまったりします。
逆に、30db以下に設定すると、BGMによるマスキング効果を得られません。
ただし、部屋の広さや用途によってBGMの聞こえ方は異なるので、実際にかけてみて、場面によって音量を微調整してみましょう。
3.選曲はこまめに見直す
職場でBGMを流す際は、定期的に選曲を見直すことが大切です。
同じBGMを流し続けていると、社員が飽きてしまい、集中力を損なう原因になる可能性があります。
季節や業務内容、時間帯によってBGMを変えて、BGMのマンネリ化を防ぎましょう。
また、BGMの選曲を見直すときは、社員からのフィードバックを取り入れるのがおすすめです。
BGMの効果を確かめるためにも、2か月~3か月に1度程度、社員にアンケートを取ってみましょう。
アンケートの質問内容は、BGMが途中途切れる箇所はないか、職場の雰囲気にあっているか、時間や季節に合ったBGMを選曲できているか、社員のモチベーション維持につながっているかなどを質問するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、職場にBGMを導入するメリットや選曲ポイントを解説しました。
職場にBGMを流すメリットには、主に以下があります。
- BGMによって会話しやすい環境が生まれ、新入社員や他の社員が話しかけやすくなる
- リラックスできるBGMが流れることで、社員のストレスが軽減され、生産性が向上する
- BGMによって社員のモチベーションが上がり、業務の効率が向上する
また、職場で流すBGMを選ぶときには、以下の3点に注意しましょう。
- BGMを使用する際には、著作権法に従って使用料を支払う必要がある
- 適切な音量(40~50db)に設定し、業務に集中できる環境を整える
- BGMがマンネリ化しないよう、定期的に選曲を見直す
本記事を参考に、あなたの職場にあったBGMを選んでみてはいかがでしょうか。