医学博士でピアニスト、音楽療法士の板東浩です。
日常の中で、私たちの心と身体は「色」と「音」という二つの感覚刺激から、大きな影響を受けています。無意識でも自律神経や情動に作用し、気分や体調を整えてくれる重要な要素です。本コラムでは、色彩と音楽の相乗効果が生むウェルビーイング空間について解説します。
日常の中で「色と音の癒やし」を感じる

晴れた日に見上げる青空や、風に揺れる木々の緑。私たちが意識していなくても、こうした自然の色は副交感神経を優位にし、緊張をやわらげてくれる力を持っています。同じように、穏やかなテンポの音楽や自然音は脳波を安定させ、呼吸や心拍を落ち着かせます。
たとえば、「森林の緑を見ると落ち着く」「カフェで流れるジャズにくつろぐ」という体験は、ただの気分ではありません。生理学的には、青や緑の波長が視覚的鎮静作用をもたらすことが明らかになっています。さらに、スローテンポの音楽は副交感神経を優位にし、心拍変動を高めることでリラクゼーションを促進します。
このように、私たちが無意識に「心地よい」と感じる色や音は、心身の回復力を支える重要な刺激です。小さな心地よさを積み重ねることそのものが、現代におけるウェルビーイング(心と身体の健やかさ)を高める土台になるといえるでしょう。
色彩心理と音楽療法は「気分を整えるスイッチ」に

色と音の心理的効果は、色彩心理学や音楽療法の領域で長く研究されてきました。一般に、暖色系(赤・黄・オレンジ)は活動性を高め、冷色系(青・緑・紫)は落ち着きをもたらします。音楽では、テンポ・調性(長調・短調)・音量が感情の変化を引き起こす要因として重視されています。
興味深いのは、色と音が同じ方向性の特徴を持つと、相乗効果が生まれやすい点です。たとえば、穏やかな青い照明に静かなピアノ曲を合わせると、リラックス効果はより強まります。一方、明るいオレンジ色と軽快なリズムの組み合わせは、活気や創造性を刺激しやすくなります。
つまり「色」と「音」は、私たちの気分を切り替える“スイッチ”として機能します。ストレス緩和、集中力向上、睡眠の質改善など、日常のさまざまな領域で活用されているのはそのためです。意識しないうちに受け取っている視覚と聴覚が、心理状態に大きく寄与していることをあらためて感じられるでしょう。
環境デザインにおける「色と音」の融合

近年、心身の回復を促す「癒やしの空間」が求められ、オフィス、ホテル、医療施設などで「色と音を組み合わせた環境デザイン」が導入されつつあります。北欧では、自然光に近い照明と、森や海をイメージしたBGMを合わせる事例が見られ、職場のストレス軽減や創造性向上を狙った取り組みが広がっています。
ホテルやスパでは、ブルーやアースカラーの照明と、ゆったりとしたアンビエント音楽を組み合わせた空間づくりが進んでいます。視覚と聴覚の両方から心をほどき、深い休息へ導く設計です。
さらに医療現場では、手術室や待合室の照明とBGMを最適化し、患者の不安を軽減する取り組みも始まっています。医療スタッフにとっても、落ち着いた環境は作業効率の向上につながります。
視覚と聴覚を連動させた設計は、誰もが安心でき、自らの回復力を発揮しやすい「ウェルビーイング空間」を広げる重要な鍵となりつつあります。
おすすめ映像と音楽
💡 自然に近い環境を…森編
👉 映像による視覚的効果…
🎬【癒やしのグリーン】木漏れ日に 輝く若葉 自然の音 @RELAX_WORLD

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💡 自然に近い環境を…海編
👉 精神的な落ち着きと安らぎを得るヒーリング音楽
🎶 RELAX – 癒しのピアノと波音に包まれて
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その他の各種サービスでの試聴は コチラ から♪
まとめ
私たちが日々受け取る情報の多くは、視覚と聴覚からもたらされています。色と音をバランスよく調和させることは、単なる快適さの追求ではなく、心身の健康を育む新しい医療・福祉・デザインの方向性です。これらが生み出すハーモニーは、現代社会に必要なウェルビーイングを支えていく重要な基盤になるでしょう。
Supplement…
癒やしの映像と音楽でリフレッシュタイム・・・




