忙しくても、自然とつながれる?──いま注目の「デジタル沐浴」とは

医学博士で音楽療法士の板東浩です。

私たちの暮らしは便利になった一方で、
自然から遠ざかり、感覚のバランスを崩しやすい時代になっています。

都市に暮らす多くの人々が、
心の疲れや集中力の低下に悩まされている背景には、
「自然との接点の喪失」があります。

しかし、自然を感じることは、
もはや“特別な体験”ではなく、
もっと身近に再現できる時代です。

この記事では、私が提案する
新しいセルフケアのかたち「デジタル沐浴」について、
医学的・感覚的な観点から解説します。

目次

自然からの距離とメンタルヘルスの関係

自然から離れていく私たちの心

人は、数百万年の進化のなかで
自然とともに暮らしてきました。

そのため、私たちの心と身体は、
本来、自然環境と無意識のうちに同調するようにできています。

しかし近年、都市化が進み、
緑や水辺とふれあう機会が極端に減ってきました。

この「自然からの距離」は、
私たちのメンタルヘルスにも深く関わっています。

たとえば──
・自然にふれる時間が減っている
・五感が常に情報過多な環境にさらされている
・心の緊張が緩む“余白”がなくなりつつある

こうした要因が積み重なることで、
うつ病や不安障害のリスクが高まる要因のひとつとして、
自然との接点の喪失が指摘されているのです。

特に都市部に暮らす人々にとって、
自然にふれる時間や空間を日常に取り入れるのは、
簡単なことではありません。

感覚的に自然とつながる体験の重要性が、
いま改めて見直されています。

「整える」文化が教えてくれること

人が安らぎや癒やし、自然との調和を感じるとき──
そこには共通して、自然と深くつながる瞬間があります。
ここでは、そうした感覚を呼び覚ます3つのキーワードを紹介します。
森林浴・入浴・沐浴です。

森林浴
 森の中を歩いたり、木々に囲まれて過ごすことで、
 心身のリフレッシュを図る活動です。
 植物が放つフィトンチッドという揮発性の化学物質が、
 自律神経のバランスを整え、免疫力を高めるといわれています。
 木々の呼吸にふれるようなこの体験は、
 現代の暮らしにおいても感覚をととのえる手段として注目されています。

入浴
 温泉やお風呂に浸かることで、
 水や熱といった自然のエネルギーにふれる行為。
 自宅でも湯気や温もり、浮遊感を通して、
 五感が自然に開かれる感覚が得られます。
 日常に溶け込んだ、もっとも身近な“自然との接点”のひとつです。

沐浴(もくよく)
 新生児を清める行為や、宗教的儀式としての“心身を浄める時間”。
 「湯浴み(ゆあみ)」とも呼ばれ、
 「ゆ=清らかなもの」「浴み=浴びる」という意味が込められています。
 水にふれるという原始的な行為が、感覚を静かにととのえてくれるという点で、
 現代にも通じる知恵です。

これらはいずれも、自然とつながることで感覚を整え、
“本来の自分”に立ち戻るための文化的知恵です。

自然の中に身を置かずとも、
そのリズムや質感を感じるだけで、
心は確かに反応してくれるのです。

“デジタル沐浴”という新しい習慣

水のかわりに、音と映像を浴びる

近年話題となっているのが、
「デジタル沐浴」と呼ばれる新しいセルフケアのスタイルです。

これは、従来の沐浴が水や湯を用いて心身を清めていたのに対し、
音や映像といったデジタルメディアを用いて、
感覚的に整えるというアプローチです。

自然から離れた都市生活者にとって、
「自然とつながる時間」を確保するのは容易ではありません。

しかし、音と映像によって自然の空気感やリズムを再現することで、
心に平穏や癒しをもたらす環境を、
どこでも・いつでも整えることができるのです。

デジタルの力を借りて、
“清らかな感覚”を取り戻すこの方法は、
まさに現代ならではの進化した「心の沐浴」といえるでしょう。

没入する自然──視覚と聴覚へのアプローチ

具体的には、
美しい自然の映像(海、森、空、水面など)に、
心を落ち着かせる音響設計の音楽を組み合わせます。

没入体験を生み出す “2つのアプローチ”

自然映像(視覚)
 海、森、空、水面などを4Kの高画質で再現。
 その場にいるかのような臨場感が、感覚を静かにととのえてくれます。

音響設計された音楽(聴覚)
 耳から心に染み入るような繊細なサウンド。
 感情を鎮め、集中力の回復や気分の調整にもつながります。

これにより、感情の鎮静や注意力の回復、
ひいては精神的なリセットにもつながっていきます。

特筆すべきは、こうした体験が
自宅でも、職場でも、時間や場所を問わず
行えるという点です。

「癒やし」を設計する──映像と周波数による感覚体験

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高精細な4Kドローン映像と、ソルフェジオ周波数963Hzの音楽が融合。
視覚と聴覚を通じて、深いリラクゼーションと感覚の回復を促します。

4K Overview | RELAX WORLD Wellbeing Brand by CROIX:視聴は画像をタップ

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感覚を整える環境づくりのヒント

オフィスでも“ととのう”時代へ

私たちはこれまで、
「仕事」と「休息」を明確に分けて考えてきました。
オンとオフ、平日と週末、業務とプライベート──
そうした切り分けのなかで、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉も生まれました。

しかし今、求められているのは、
仕事と生活の調和=“ワーク・ライフ・ハーモニー”という新しい価値観です。

その実現のためには、
「整える時間」を働く日常の中にも取り入れていくことが大切です。

私たちが自然と行ってきた「整える習慣」
 ・一日の終わりにシャワーを浴びて気持ちを切り替える
 ・湯船にゆっくり浸かって安心感を得る

こうした“水の力”に身をゆだねる時間は、
心身のリズムを整える習慣として、
これまでも私たちが自然と取り入れてきたものです。

音や映像によって感覚を整えることも、まさにその延長にあります。

目と耳を通して自然のリズムにふれることで、
感覚がやさしくゆるみ、回復のスイッチが入る。

“感覚のシャワー”とも呼べるこの新しい習慣は、
心と身体のケアをもっと自由に、手軽にしてくれます。

オフィスでできる“感覚のシャワー”の取り入れ方
 ・昼休みに数分だけ、音と映像を浴びる
 ・業務の合間に、自然の映像に視線を向ける

そんなささやかな時間にも、
張りつめた気持ちがふっとゆるむのを感じられるはずです。

自宅でも、オフィスでも、時間や場所を問わずにできる。
だからこそ、無理なく続けられ、習慣にしやすい。

この新しい「ととのえ方」は、
心のメンテナンスにも、よりよい働き方にも、
きっと役立ってくれるでしょう。

方位から音が降りそそぐ音楽体験と4K映像

CROIX HEALING × 360 Reality Audio | 4K スペシャルヒーリングミュージックビデオ

全方位から音が降りそそぐ新しい音楽体験と、4K映像によるスペシャルヒーリングミュージックビデオ。
自然の風景と繊細なサウンドが、感覚の深部にやさしく届き、心を整えてくれます。

おわりに

このたびご紹介した「デジタル沐浴」は、
自然との接点が減った現代において、
心と感覚をやさしく整える、新しい選択肢です。

音や映像といったメディアを通じて、
自然の静けさやリズムを感じることで、
都市に暮らす私たちも、
日常の中に“自然体験”を取り戻すことができます。

メンタルヘルスは、もはや個人だけでなく、
職場や社会全体にとっても重要なテーマです。

だからこそ、忙しさの中でも
「整える時間」を意識的に持つことが、
心の回復力や創造性の土台になっていくのです。

いつでも、どこでもできる。
それが「デジタル沐浴」の大きな魅力です。

ぜひ今日から、あなた自身の
“感覚をととのえる習慣”を、
日常の中に取り入れてみてください。

Supplement…

癒やしの映像と音楽でリフレッシュタイム・・・

【清流の彩り】 グリーンと青が織りなす水の調べ | @RELAX_WORLD

【清流の彩り】 グリーンと青が織りなす水の調べ
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執筆

板東 浩(ばんどう ひろし)のアバター 板東 浩(ばんどう ひろし) 医学博士 日本統合医療学会四国支部長

徳島県糖質制限研究会代表 ​ 徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。 日本心身医学会 中国四国地方会大会長(2023)。糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2024)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文500以上。「新老人の会」徳島代表。

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