医学博士で音楽療法士の板東浩です。
最近、「休養」という言葉があらためて注目されています。私たちの健康を支える基本は、食事・運動、そして休養。この“休養”という言葉には、実はとても深い意味が込められています。
たとえば「休」という字。これは、“人”と“木”でできていて、「人が木のそばで寄りかかって休んでいる姿」を表しているんです。昔の人は、木陰でひと息つくことが、心と体を癒やす時間だと考えていたんですね。
そして「養」という字は、“羊”と“食”の組み合わせ。
これは、羊の角と、食べものを盛った器をあらわしています。古代では、羊を飼い育てることで食を得て、命を養ってきました。つまり「養う」とは、ただ栄養を与えるだけでなく、生活の中で大切に育むことを意味していたのです。
そんな漢字の成り立ちからも、休養とは本来、「自然とともに、心と体をいたわる時間」だと感じられます。今回は、“休養”と“音楽”のやさしい関係について、少しゆっくりお話ししていきたいと思います。
休養と美しい眠り — 仕事の効率化を支える休養の重要性

皆さんのお仕事が、毎日スムーズに進むためには、実は「適切な休養」がとても大切です。
日々の仕事や家事、さまざまな活動には、自分の力を注ぎ、目に見える成果がありますよね。一方で、「休養」はどうでしょうか。じっと体を休める時間は、表立って見えるものではないので、つい後回しにされたり、大事にされなかったりしがちです。
でも、ほんとうはとても重要なんです。
たとえば、もし睡眠や休養が足りていないと、知らず知らずのうちにストレスが溜まり、仕事のパフォーマンスも下がってしまうことがあります。なんだかイライラしたり、集中できなかったり…。心当たり、ありませんか?
反対に、生活にメリハリがあり、自然に「美しい眠り」に入れていると、朝の目覚めがすっきりして、気持ちよく1日を始めることができます。そうした回復の時間が積み重なることで、心も体も整い、仕事もはかどるようになっていきます。そしてそれが、結果として“若々しさを保つアンチエイジング”にもつながっていくのです。
医学的にも、「休養・休息・安静」はとても重要な要素です。
とくに近年は、心と体のつながりを大切にする「心身医学」の分野からも、その必要性が改めて注目されています。
「休養・休息・安静」— それぞれの違いと意味をやさしく解説
- 休養:心と体の両方を回復させること。
- 睡眠や食事、趣味やリフレッシュなども含まれます。バランスのよい生活全体が「休養」です。
- 休息:主に“体を休めること”を指します。
- 座ったり、横になったりして、身体の動きを止めること。短い休憩も含まれます。
- 安静:からだを動かさずに静かにしている状態のこと。
- とくに病気や疲労時に、刺激を避けて回復をうながす状態を指します。

音楽と睡眠 — 眠りを深める音楽的アプローチ

ぐっすりと眠るために、みなさんはどんな工夫をされていますか?
実は、「音楽」は、眠りをやさしくサポートしてくれる心強い存在です。
眠る前に、心地よい音楽を静かに流してみてください。
日中の疲れや緊張が少しずつゆるみ、自然と気持ちが落ち着いていくのを感じられるはずです。医学的に見ても、リラックスしているとき、脳には「α波」という穏やかな脳波があらわれます。このα波は、私たちが自然に眠気を感じるときに増えるもので、ストレスをやわらげる働きもあるのです。
「どんな音楽がいいんでしょう?」とよく聞かれます。
でも、実は“これが正解”という決まった曲はありません。ただし、避けたほうがよい音楽として、刺激が強いものやアップテンポな曲、壮大な交響曲などがあります。
少し意外かもしれませんが、“知らない曲”を選ぶのもひとつの方法です。
なぜなら、好きな曲や馴染みのある音楽は、つい感情が動いてしまうからです。声に出していなくても、心の中でメロディを追っていると、無意識に声帯が反応してしまい、体は少し緊張してしまうのです。
音楽療法では、音そのものだけでなく、環境も大切にします。
寝室の温度や湿度、照明、そして音のボリューム。もしイヤホンで聴く場合は、音量を小さめにして、タイマー機能を活用するのがおすすめです。音と空間のバランスを整えることで、眠りはもっと深く、やさしくなっていきます。
音楽アプリの活用

“おはよう”から“おやすみ”まで、あなたの1日をトータルサポート
音楽アプリ「RELAX WORLD MUSIC」
癒やしと眠りの音楽アプリは、日々の様々なシーンに寄り添う音楽です。
聴いた時に心地良さを感じ、心身に良い効果があると言われているソルフェジオ周波数や、医学博士・専門家監修作品をはじめ、カフェミュージック、作業用・集中BGM、オルゴール、自然音など様々なBGMがあります。
音楽がもたらす様々な効果が活動と休息にメリハリをつけ、一日を締めくくる大切な睡眠がより良質なものになることが期待されます。
ヒーリングミュージック・ ソルフェジオ周波数音楽・クラシック&ピアノ・カフェミュージックなど…
休養の質を高める音楽活用法 — 効率的な休養法で生産性を向上

休養をより深めたいとき、音楽の力をもう少し活用してみるのも、とてもおすすめです。
ここで大切になるのが、「メリハリ」という考え方です。実はこの「メリハリ」という言葉、もともとは和楽器の琴や三味線の弦を“緩めたり張ったり”するところからきています。つまり、“緊張と緩和のバランス”を上手にとるという意味なんですね。
たとえば、日中の仕事中には、少しリズムのあるテンポのよい音楽を。そして、夕方から夜にかけては、クラシックやアンビエントなど、ゆったりとした音楽に切り替える。そんなふうに、音楽のトーンを場面ごとに変えてみることで、心と体のスイッチも自然に切り替わっていきます。
さらに、音楽にちょっとした生活習慣の工夫を加えると、休養の質はもっと高まります。
眠りの質を高める、小さな4つの工夫
- 夕食は、できれば就寝の3時間前までに済ませること。
- あたたかい飲みものを飲んで、体をほんのり温めること。
- 寝る前に、軽いストレッチで血流を促すこと。
- そして、音楽にアロマの香りを組み合わせてみること。
とくに最後の「音楽+香り」の組み合わせは、近年では統合医療の分野でも注目されています。音・香り・空間をうまく整えることで、ただの“休憩”ではなく、“自分を整える豊かな時間”へと変わっていきます。
少しの工夫で、休養はもっと心地よくなります。
日常に音楽を取り入れることは、特別なことではなく、今日からすぐできる「自分へのやさしさ」かもしれませんね。
おわりに

「よく眠れた」「すっきり目覚められた」——それだけで、一日の始まりがぐっと変わるものです。実は、こうした感覚には“音楽の力”が大きく関わっていることが、最近の研究からもわかってきました。
法政大学(※) で行われた研究では、音楽のジャンルによって入眠や起床のしやすさが変わることが示されています。実験では、ジャズや洋楽を入眠時に聴いた場合、眠りにつくまでの時間が他のジャンルよりも短かったという結果が出ています。また、朝の目覚めについても、ジャズや洋楽は“睡眠慣性”、つまり起きた直後のぼんやり感を軽減する可能性があることがわかりました。
こうした音楽の効果は、リズムやテンポ、調性など、音楽そのものの特性によるものですが、同時に「自分にとって心地よい」と感じることも、とても大切です。「なんだか、この音が落ち着くなあ」「この音楽を聴くと、気持ちがふわっとやわらぐ」――そんな感覚こそが、日々の休養に役立つヒントになるのだと思います。
音楽は、いつでも、どこでも、誰でも取り入れられる“やさしいツール”です。
休養の質を少しでも高めたいとき、まずは静かに音楽を流してみる。そんな一歩からはじめてみてはいかがでしょうか。
日々の暮らしのなかに、心地よい音が寄り添ってくれることで、美しい眠りへと導かれる時間が、きっと少しずつ増えていくはずです。音楽とともに過ごすやさしいひとときが、あなたの毎日をそっと整えてくれることを願っています。
※出典:山田真奈「入眠と起床に適した音楽的・音響的特徴」
http://kotoba.slp.k.hosei.ac.jp/~itou/doc/2020/17k1135_3.pdf
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