立体音響はなぜ臨場感のある音が出せるんだろう
自宅でも立体音響を取り入れることはできるだろうか
自宅に立体音響を取り入れて、没入感を体験したいが、どうしたらいいんだろうかと疑問に思っている人もいるでしょう。
立体音響は、実際にその場にいるかのようなリアルな音が魅力の音響技術です。音に広がりがあり、立体的に聞こえるため、3Dオーディオとも呼ばれます。
この記事では、立体音響の特徴やメリット、取り入れ方などを解説しています。
立体音響で趣味や音楽の時間を満喫したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 立体音響の仕組み
- 立体音響のメリット
- 立体音響を聴くステップ
- 立体音響におすすめの音楽
4つの方式からみる立体音響の仕組み
自宅で立体音響を楽しむには、従来から用いられている4つの技術と、近年注目度が上がっている空間オーディオについて理解する必要があります。
- ステレオ方式
- サラウンド方式
- バイノーラル方式
- 空間オーディオ
それぞれの仕組みを詳しく解説していきます。
1.2個のスピーカーを使う「ステレオ方式」
ステレオ方式は、2つのスピーカーを使用して音の広がりや臨場感を再現する技術です。
それぞれのスピーカーが異なる音声を再生することで、音源が左右から聞こえるように感じられる仕組みとなっています。
この方法では、左右の耳に届く音の大きさや到達時間の微妙な差を利用して、音の方向や距離感が表現可能です。
ステレオ方式の立体音響技術は、最もポピュラーな音響システムとして、多くの場面で活用されています。
たとえば、家庭用テレビや映画館、音楽など、私たちの身近なエンターテインメントの多くに採用されているため、知らず知らずのうちに体験していることでしょう。
ステレオ方式は簡単に立体的な音響体験を体験できる手法なので、自宅で手軽に高品質な音響環境を実現したいという人におすすめです。
2.音が聞く人を取り囲む「サラウンド方式」
サラウンド方式の「サラウンド(surround)」は、取り囲むという意味があります。
音を聴いている人を取り囲むようにステレオが設置されているため、音に包み込まれるような臨場感が実現可能です。
サラウンドシステムは一般的に、5つ以上のスピーカーで構成されます。
5つのスピーカーに1つのサブウーファーで構成されたシステムが5.1chサラウンド、5.1chにサイドスピーカーが追加されたシステムが7.1chサラウンドです。
サブウーファーは低音域を得意としているため、映画や音楽に迫力を与えてくれます。
サラウンド方式は、映画館や高性能ホームシアターシステムで活用され、臨場感あふれる体験できるでしょう。
とくに、アクション映画やライブ音楽は、その場にいるかのような錯覚を生み出します。
3.人が耳で聴く音を再現した「バイノーラル方式」
バイノーラル方式とは、ダミーヘッドマイクと呼ばれる機材を用いて録音をします。
ダミーヘッドマイクは人間の頭のような形をしていて、人間の耳がある位置に集音マイクが設置されています。
これによって、人間が実際に聞いたときのような、音を生み出すことができるのです。
バイノーラル方式によって録音された音源は、360度全方向から音が聴こえるような感覚になります。
まるで、音に包まれているかのような臨場感が得られるため、映画やゲーム、VRコンテンツなどで使用されています。
また、バイノーラル方式は、ヘッドホンさえあれば、音源の臨場感を体験できる点も魅力的です。場所にこだわらず音源を楽しみたい人におすすめです。
4.立体的なサウンド体験を生み出す「空間オーディオ」
空間オーディオは、頭上や後方からも音が聴こえる音響技術です。
ヘッドホンだけで立体的な音を楽しめるため、近年急速に普及しています。
空間オーディオの主な種類は、以下の2つです。
- 360 Reality Audio
- ドルビーアトモス
2つの違いを解説していきます。
4-1.全方位から音が降りそそぐ「360 Reality Audio」
360 Reality Audioは、音が左右前後だけでなく、上下方向からも聞こえることで音に包まれる没入感が得られます。
この技術によって、従来の音響システムでは体験できなかった、新しい音楽体験を可能にしました。
360 Reality Audioは、音一つ一つに位置や動きなどの情報を付与できます。
これによって、驚くほど立体的でリアルな音響を体験できるでしょう。
株式会社クロアの360 Reality Audioを体験できるスペシャルヒーリングミュージックビデオに関する内容はこちらをご覧ください。
臨場感のあるヒーリング音楽を体験してみたい人は、ぜひチェックしてみてください。
4-2.没入感溢れる音響「ドルビーアトモス」
ドルビーアトモスは、音像を半球状に定位させることで、音に包まれるような臨場感あふれる音場を体験できる音響技術です。
オブジェクトオーディオを最大128個配置できるため、音の位置や距離を正確に表現でき、よりリアルで臨場感あるサウンドを作り出します。
ドルビーアトモスのシステムでは、7.1.2chや7.1.4chと表されます。
「.2」や「.4」は、天井に設置されたスピーカーの数を示していて、7.1.2chは7つのスピーカーと1つのウーファー、2つの天井スピーカーで構成されているという意味です。
天井に設置されたスピーカーから音が再生されることで、さらに深い没入感を提供します。
株式会社クロアのドルビーアトモスに適した音楽に関する内容はこちらをチェックしてみてください。
立体音響の3つのメリット
立体音響は、臨場感のあるサウンドを楽しめることがメリットです。
ほかにも、以下のようなメリットがあります。
- 圧倒的な没入感を体験できる
- 新しい音楽体験が得られる
- 多様な音の細部がクリアに聴こえる
立体音響のメリットを解説します。
1.圧倒的な没入感を体験できる
立体音響は、複数のスピーカーを使用し、オブジェクトオーディオを設定することで、音が立体的に聞こえます。
音がする方向や距離感がリアルに感じられ、実際に自分が映像や音楽の中にいるかのような没入感が得られます。
立体音響によって没入感が高まると、映画やゲームへの感情移入が高まり、より物語をたのしむことができるでしょう。
ヘッドホンやスピーカーの種類など、リスニング環境によって、さらに立体感を強化することも可能です。
2.新しい音楽体験が得られる
立体音響は、従来のステレオでは体験できなかった音の動きや立体感を楽しむことができます。
音が前後左右だけでなく、上下方向にも聞こえるため、実際にライブ会場にいるかのような臨場感を味わえます。
従来のステレオで聴いていた楽曲を立体音響で聴くと、これまで感じることのなかった音の位置や響きを感じるでしょう。
立体音響は、自宅にいながら迫力のある音響を楽しむことができ、日常の音楽体験をより豊かにしてくれます。
3.多様な音の細部がクリアに聴こえる
立体音響は、オブジェクトオーディオによって音に立体感が生まれます。
楽器やボーカルなど、音一つひとつに座標が設定されているので、音のディテールが非常に鮮明に感じられます。
従来のステレオでは感じ取れなかった細部の音まで、クリアに聴こえることが魅力です。
また、音に広がりが生まれることで、楽曲全体の構成やアレンジがより明確に伝わり、音楽の奥深さを楽しむことができるでしょう。
ヘッドホンや専用スピーカーを使用することで、音の層や質感をより細かく体感できます。
立体音響を聴く方法3ステップ
立体音響を楽しむには、対応する機器やデバイス、コンテンツの準備が必要です。
それぞれ順を追って説明していきます。
- 対応機器を使用する
- 対応デバイスを利用する
- 対応するコンテンツを選ぶ
立体音響で映像や音楽を楽しみたい人は、参考にしてみてください。
1.対応機器を使用する
立体音響を楽しむためには、立体音響に対応したリスニング環境を整えなくてはいけません。
一般的なヘッドホンでも体験できますが、AirPodsやAirPods Maxなどの空間オーディオに対応したヘッドホンを利用することで、よりクリアで立体感のある音を楽しめます。
また、テレビやPC下に設置するサウンドバーは、Dolby AtmosやDTS:Xに対応したモデルを選ぶのがおすすめです。
さらに、本格的なホームシアターシステムを導入することで、複数のスピーカーによるより高い没入感を体験でき、映画や音楽が一層迫力のあるものになります。
なお、Dolby Atmosや360 Reality Audio(360RA)への対応状況は、購入前に各製品の公式サイトで確認できます。
2.対応デバイスを利用する
空間オーディオを利用するには、対応するデバイスを用意する必要があります。
現在、空間オーディオに対応しているデバイスは、Google PixelシリーズやiPhone、iPadなどです。
これらのデバイスを空間オーディオに使用する場合は、OSを最新バージョンにアップデートしておくのがおすすめです。
さらに、一部のスマートフォンでは、空間オーディオ機能に限らず、メーカー独自の音響機能を搭載している機種もあります。
これらの音響機能でも立体的な音響体験を楽しむことができるので、購入時には対応機能を確認して選ぶとよいでしょう。
3.対応するコンテンツを選ぶ
機器やデバイスの用意ができたら、イマーシブオーディオに対応した音楽や映画、ゲームコンテンツを選んで立体音響を楽しみましょう。
たとえば、映画ではDolby AtmosやDTS:X対応作品が多く、迫力ある音響でリアルな臨場感が楽しめます。
また、Apple MusicやAmazon Musicでは、「Dolby Atmos」や「360 Reality Audio」と明記されているコンテンツが配信されています。
これらの表記を目印に、対応コンテンツを選択することで、没入感のある音響体験を手軽に楽しめるので、ぜひ探してみてください。
立体音響で聴くのにおすすめの音楽
「どんな音楽が立体音響に向いているんだろう?」と音源の選定に悩んでいる人もいるでしょう。
そこで、立体音響におすすめの音楽を紹介します。
- ヒーリングミュージック
- ソルフェジオ音楽
- アンビエント
それぞれの特徴を解説していきます。
ヒーリングミュージック
立体音響でリラックス感のある音楽を聴きたい人には、ヒーリングミュージックがおすすめです。
人間が心地よいと感じる1/fゆらぎが含まれるヒーリングミュージックは、気持ちの高ぶりを沈める効果があります。
立体音響でヒーリングミュージックを聴くことで、高い没入感を得られます。これによって、従来のステレオでは得られない高い癒やし効果を感じられるでしょう。
株式会社クロアでは、立体音響に対応したヒーリング音楽を多く扱っています。「CROIX HEALING レーベルサイト」「Sugar Candy レーベルサイト」のリリース情報に試聴リンクがありますので、ぜひチェックしてみてください。
ソルフェジオ音楽
イライラや心身の不調に悩んでいる人には、立体音響でソルフェジオ音楽を聴くのがおすすめです。
ソルフェジオ音楽とは9つの周波数のことで、それぞれ異なる癒やし効果があります。
たとえば、ソルフェジオ周波数174Hzは、「意識の拡大と進化の基礎になる」といわれていて、人の内面に働きかけ、気持ちを落ち着けてくれます。
立体音響でソルフェジオ音楽を聴くと、音に包み込まれたような安心感が得られ、強い不安や心身の不調を落ち着け、リラックスできるでしょう。
株式会社クロアでは、音楽療法の第一人者で、理学博士の和合治久先生監修の元、ソルフェジオ音楽を提供しています。
以下は、立体音響に最適な音源なので、ソルフェジオ音楽を聴いてみたい人はぜひ試聴してみてください。
また、ソルフェジオ周波数については、以下の記事で詳しく解説しています。
アンビエント
「環境音楽」とも呼ばれるアンビエント音楽は、空間を意識した音作りが特徴です。
音楽のリズムや構成よりも、周囲になじむ音色に意識を置かれているため、立体音響との相性が抜群です。
聴き心地のよい音色が360度から流れてくるような感覚が、聞いている人を別世界へと誘います。
アンビエント音楽は、もともと自然と耳を傾けてしまう曲調のものが多いので、立体音響で聴くことで、より没入感を味わえます。
美しく優しいサウンドに没入することで、心身の不調を癒やすことができるでしょう。
株式会社クロアでは、ヒーリング効果の高いアンビエント音楽の音源を扱っています。
空間に馴染む音楽を探している人は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
この記事では、立体音響の仕組みや効果、立体音響を聴く際の流れ、立体音響におすすめの音楽を紹介しました。
立体音響の効果は以下の通りです。
- 圧倒的な没入感を体験できる
- 新しい音楽体験が得られる
- 多様な音の細部がクリアに聞こえる
上記のようなメリットがある立体音響ですが、自宅で試してみたいというときは、いくつかのポイントを守る必要があります。
立体音響を聴く際のポイントは、以下の通りです。
- 対応機器を使用する
- 対応デバイスを使用する
- 対応するコンテンツを選ぶ
上記のポイントを守ることで、リアルで臨場感のある音を楽しめます。
立体音響による没入感や新たな音楽体験をしてみたいという人は、この記事を参考にしてリスニング環境を整えてみてください。