ストレスフリーな働き方へ ― 休養と環境改善で仕事がもっとスムーズに

医学博士で音楽療法士の板東浩です。

内科医として、私は生活習慣病や心身医学、スポーツ医学などを専門にしています。いつまでも健やかに、そして心も身体も若々しく過ごしていくためには、日々の生活のなかに「良質な休養」を取り入れることが何より大切です。

そこに“音楽”を組み合わせることで、心身の調和をより深めることができます。

音楽は気分を和らげるだけでなく、自律神経やホルモンバランスに働きかけ、私たちの内側に静かな変化をもたらしてくれます。生活習慣を工夫し、身体に適度な刺激を与えることは、疲労回復やパフォーマンス向上の鍵でもあります。このコラムでは、日々の仕事や暮らしに役立つ“休養のヒント”をお伝えしていきます。

目次

休養とストレス ― スポーツ医学と心身医学から見る疲労回復法

日々仕事に取り組む私たちは、知らず知らずのうちにさまざまなストレスを抱えています。こうした疲れを和らげ、心と身体を整えるために欠かせないのが「休養」です。

医学的には、休養は大きく2つに分類されます。

ひとつは「消極的休養」。これは心身を静かに休ませ、エネルギーを養うための休み方です。たとえば、しっかりとした睡眠や安静に過ごす時間がこれに該当します。

もうひとつは「積極的休養」。こちらは、じっとしているのではなく、適度な活動によって心身のバランスを整える方法です。気分転換やリフレッシュも、この積極的休養に含まれます。

実際に、医学レポートでも「成人の主観的健康観 ※」に関する研究が行われており、休養は心身の健康を支える柱であることが明らかになっています。研究では、休養を適切にとれていると感じている人ほど、健康への満足度が高く、仕事や生活の充実感も高い傾向があると報告されています。つまり、休養の質は、私たち自身の“健康の実感”にも直結しているのです。

では、実際にどのような積極的休養が効果的なのでしょうか。スポーツ医学や心身医学の視点から見ると、たとえば以下のような方法が挙げられます。

・筋肉の疲労には、ストレッチやクールダウン、栄養補給。
・精神的疲労には、深呼吸やアロマテラピー、自然とのふれあい。
・神経の疲れには、眼や頭の疲労を癒すために、軽い運動、音楽療法、マインドフルネスなど。
・生活リズムの乱れには、ウォーキング、入浴、呼吸法などが有効です。

おすすめしたいのが「4-7-8呼吸法」

これは、4秒間ゆっくり吸って、7秒息を止め、8秒かけて吐くという呼吸法で、自律神経を整えるのに役立ちます。このリズムを意識することで、交感神経の緊張が抑えられ、副交感神経が優位になり、心身が落ち着いていきます。

さらに、呼吸法に音楽を組み合わせると、より深いリラックス効果が期待できます。たとえば、テンポ60〜70BPM程度のヒーリング音楽に合わせると、自然と呼吸も穏やかになり、ストレスがやわらいでいくのを感じられるはずです。

リラクゼーション音楽は、こうした“呼吸と心を整える時間”のパートナーとしても活用されています。

※出典:休養や睡眠の在り方と主観的健康感との関連性についての全国調査

https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103041/201021002B/201021002B0007.pdf

音楽アプリの活用

RELAX WORLD MUSIC

“おはよう”から“おやすみ”まで、あなたの1日をトータルサポート
音楽アプリ「RELAX WORLD MUSIC」

癒やしと眠りの音楽アプリは、日々の様々なシーンに寄り添う音楽です。

聴いた時に心地良さを感じ、心身に良い効果があると言われているソルフェジオ周波数や、医学博士・専門家監修作品をはじめ、カフェミュージック、作業用・集中BGM、オルゴール、自然音など様々なBGMがあります。

音楽がもたらす様々な効果が活動と休息にメリハリをつけ、一日を締めくくる大切な睡眠がより良質なものになることが期待されます。

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ヒーリングミュージック・ ソルフェジオ周波数音楽・クラシック&ピアノ・カフェミュージックなど…

美しい眠りを支える生活環境の改善

休養の質を高めるためには、日々の生活環境を見直すことも欠かせません。どんな空間で過ごしているか──その環境の心地よさが、睡眠の質や疲労回復に大きく影響しています。

とくに最近では、視覚・嗅覚・聴覚など五感への働きかけを意識した空間づくりが注目されています。住まいの環境を少し整えるだけで、日常の中に深い休養が生まれてくるのです。

休養を支える生活環境づくりのヒント

  • リビング環境の工夫
    ミニマルで落ち着いたインテリアに加えて、心をほぐす音楽やアロマを取り入れることで、視覚・嗅覚・聴覚にやさしく働きかけ、リラックスを促します。
  • 睡眠環境の整備
    寝室の室温・湿度・照明・遮光カーテンなどの調整によって、眠りの深さが大きく変わります。こうした物理的な環境調整は、疲労回復に直結します。
  • 適度な運動習慣の導入
    軽いストレッチや散歩など、日常的な身体活動を取り入れることで、血行が促進され、心身のコンディションが整います。
  • 規則的な生活リズムの確立
    早寝早起きといった生活リズムの安定は、体内時計の調整につながり、生活習慣病の予防にもつながります。

これらの要素は、それぞれが単体でも効果がありますが、“音楽”を組み合わせることで、さらに相乗的な効果が生まれます。

就寝前に“音楽のある時間”をつくることで、心が自然とゆるみ、入眠もスムーズになります。私が監修した『医学博士監修 眠りのハープ&チェロ』は、心地よい音環境づくりに適したアルバムです。

ハープの高周波は右脳をやさしく刺激して感情や創造性を引き出し、チェロの低周波は左脳を整えて思考をサポートします。この2つの音の調和が脳全体に働きかけ、深いリラクゼーションをもたらします。

また、音楽にはコルチゾール(ストレスホルモン)の抑制や、睡眠と覚醒のリズムを司るオレキシンの調整サポートといった作用も期待されています。自宅で音楽を聴くだけでも、心身の回復力や自律神経の安定を促す手助けになります。

音楽はストレッチや軽い運動時の“リズムづけ”にも有効で、動作の習慣化をサポートします。また近年では「音環境デザイン(サウンドスケープ)」の概念が注目され、音楽は単なるBGMではなく、空間の質を高める“音のインテリア”として捉えられています。

さらに、休養の質を向上させるためには、聴覚だけでなく、視覚・嗅覚・触覚といった五感全体にやさしく働きかけるリラクゼーション空間の工夫も重要です。音楽はその中核となり、心身を整える生活環境づくりに役立つ大切な要素なのです。

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休養と音楽の融合で職場の生産性向上

人々が働くオフィスで、休養がうまく設定されると、さまざまなストレスが軽減し、仕事の効率化が促進されます。
その理由は、集中力や注意力、判断ミス、認知機能などの低下が抑えられるとともに、逆に、記憶力や判断力、創造力が向上し、気分も安定して前向きな気持ちに導かれるからです。

とくに近年では、こうした休養の重要性に注目が集まり、効果的な休憩の取り方として、以下のような方法が取り入れられています。

パフォーマンスを高める3つの工夫

マイクロブレイク
作業中に数分間の小休憩を挟む方法。短時間でもリフレッシュ効果があり、集中力の維持に役立ちます。

ポモドーロ・テクニック
20~30分間の作業と1~5分間の休憩を1セットとする方法。一定のリズムで作業を進めることで、疲労を溜めにくくします。

90分集中作業+15分休憩法
人間の集中のリズム「ウルトラディアンリズム」に合わせた方法。90分間の作業の後に10〜15分程度のしっかりとした休憩を取ることで、脳の回復と次の集中力アップが期待できます。

こうした休憩法を日常業務に取り入れることで、心身の負荷を適度にリセットしながら働くことが可能になります。さらに、これらの休憩時間に“音楽”を組み合わせることで、休養の効果はより高まります。

たとえば、休憩時に気持ちよいBGMを流すことで、聴覚を通じて副交感神経が優位になり、自然とリラックス状態へと導かれます。こうした音楽の効果は、ただの気分転換にとどまらず、ストレス緩和や集中力の回復にもつながっていきます。

また、心地よい音楽が流れている職場では、人と人との心の距離も近づきやすくなります。気持ちよいBGMは、職場内におけるラポール(信頼関係)の形成を自然に促してくれるからです。

その結果、チーム内のコミュニケーションがなめらかになり、職場の空気が整い、プロジェクトも円滑に進められるようになります。

「働く空間を整える音楽」は、職場のストレスをやわらげ、集中力と創造性を支え、ウェルビーイングを育む重要なツールなのです。

医学博士監修 トレ楽 〜トレイン効果で楽になる音楽〜 脳休編 – 電車に乗った感覚を楽しみ脳を休息させる音楽
医学博士監修 トレ楽 〜トレイン効果で楽になる音楽〜 脳楽編 – 電車に乗った感覚を楽しみ脳を楽しくさせる音楽

おわりに

職場に「休養」と「音楽」をうまく取り入れていくことで、ストレスの軽減やメンタルヘルスの改善、そして離職率の低下にもつながっていきます。働く環境に“癒やしの余白”があることは、単なる快適さを超えて、職場全体の安定と、持続的な成長を支える基盤となります。

仕事の歯車がスムーズにまわり始めると、パフォーマンスや集中力も自然と高まっていくはずです。ひとり一人のコンディションが整うことで、組織全体のエネルギーが巡り、より健やかな職場づくりへとつながっていきます。

さらに、休養と音楽の融合は、現代の働き方に欠かせない「ウェルビーイング(心身の健康と幸福)」の向上にも大きく寄与します。身体だけでなく、心の健やかさも保たれていること——それが、長く安心して働き続けられる職場の鍵となります。

とくに音楽は、日常の中で手軽に取り入れられる“休養のパートナー”です。休憩中や移動中、ふとした隙間時間に耳を傾けるだけでも、気持ちがゆるみ、心に余白が生まれます。こうした小さなリセットの積み重ねが、ストレスの蓄積を防ぎ、心身の健やかさを保つことにつながるのです。

日々の生活や仕事のなかに、“音のある休養”をぜひ取り入れてみてください。きっと、心も身体も、少しずつ整っていくことを実感していただけると思います。

音楽とともに、自分自身をいたわる時間を重ねていくこと――
それは、これからの時代に求められる“心地よく働き続けるためのヒント”となるはずです。

Supplement…

癒やしの映像と音楽でリフレッシュタイム・・・

【サウナの癒やし】薪ストーブとロウリュウで心と体をととのえる @RELAX_WORLD

【サウナの癒やし】薪ストーブとロウリュウで心と体をととのえる

アルコール0%の赤と白。本格風味と睡眠の質向上・・・

ワイン好きのための新感覚のウェルネスドリンク

「CHILLNEKO(チルネコ)」

本格風味を楽しみながら睡眠の質向上をサポートする新時代のウェルネスドリンクです。大麦発酵液のGABAをブレンドし、「機能性表示食品」の認証を取得。アンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学などを専門とし、クロアのヒーリングミュージックの監修作品も手掛ける医学博士・板東浩先生と共同開発されたこのドリンクは、ワイン好きの方にもぴったりな心地よさと健康を両立させています。

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執筆

板東 浩(ばんどう ひろし)のアバター 板東 浩(ばんどう ひろし) 医学博士 日本統合医療学会四国支部長

徳島県糖質制限研究会代表 ​ 徳島大学卒業、ECFMG資格取得後、米国でfamily medicineを臨床研修。専門領域はアンチエイジング、糖質制限、音楽療法、スポーツ医学など。アイススケート選手として国体出場(1999 ~ 2003)。第9回日本音楽療法学会大会長(2009)。第3回ヨーロッパ国際ピアノコンクール(EIPIC)in Japan銀賞(2012)。日本プライマリ・ケア連合学会大会長(2017、高松)。 日本心身医学会 中国四国地方会大会長(2023)。糖尿病関係の英文医学雑誌4誌のEditor-in-Chief(編集長,2024)。著書30冊以上、印刷物2,000以上、英語論文500以上。「新老人の会」徳島代表。

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