音楽を聴くと集中力がアップすると耳にしたけれど、本当だろうか?
仕事中に流す音楽はどんなものがいいんだろう
集中力を上げて作業効率をアップさせたいときには、音楽を聴きながら仕事をするのがおすすめです。
しかし、なぜ音楽を聴くだけで集中力が上がるのか、どんな音楽を聴いたらいいのか疑問に思っている人もいるでしょう。
この記事では、仕事中に音楽を聴くのがおすすめな理由をはじめ、以下のポイントを解説しています。
- 音楽を聴きながら仕事をするメリット
- 音楽を聴きながら仕事をするデメリット
- 仕事中に聴きながらかけるのにおすすめの音楽
仕事の生産性をアップしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
結論:音楽を聴きながら仕事をすると効率は上がる
音楽を聴きながら仕事をすると、作業効率が上がると考えられています。
2023年3月に実施された「多様な音環境による心理的影響と作業パフォーマンスへの影響の関連性」という研究では、音環境が精神面や生産性にどのような影響を与えるのか、両者には関連性があるのかが検証されました。
研究の結果、リラックス感を得られる音楽や陽気な音楽は生産性が向上し、アラーム音は作業効率を向上させますが、正確性は低下することが報告されています。
このように、仕事の効率アップにいい影響を与える音楽もありますが、流す音楽によってはミスが起こりやすいこともあります。そのため、仕事中に流すBGM選びは重要です。
下記記事では、業種別のBGM選定のポイントを解説しています。オフィス向けBGM選びに悩んでいる人は、参考にしてみてください。
音楽を聴きながら仕事をする5つのメリット
BGMを導入するか判断するには、仕事中に音楽をかけると何が良いのかを知っておくことが大切です。
音楽を聴きながら仕事をするメリットには、以下の5つがあります。
- 作業中の集中力が高まる
- 意欲が高まる
- 周囲の音をかき消す効果がある
- リラックス感が得られる
- タイムマネジメントに役立つ
それぞれを詳しく解説していくため、チェックしてみてください。
1.作業中の集中力が高まる
仕事中に音楽を聴くことで、作業中の集中力がアップします。
単純作業や慣れた作業をしているとき、無意識に近い状況で作業を行っています。
脳にあまり負担のかからない作業中に音楽を流すと、テンポに合わせて作業が進められるので、作業効率がアップするでしょう。
ただし、頭を使うような作業や普段あまりしない作業をするときに、音楽をかけるのはおすすめしません。
脳のワーキングメモリに負担がかかり、逆に邪魔になって作業効率が低下してしまう可能性があるためです。
順番としては、最初に音楽を聴きながら単純作業ややり慣れた作業を行い、集中力が高まっている状態で思考力を使う作業をするのがおすすめです。
2.意欲が高まる
毎日同じような作業を繰り返していると、時間が遅く感じたり、飽きてイヤになったりすることがあります。
マンネリ化している状態が続くと、作業効率や正確性が低下して、業績が悪化してしまうことも少なくありません。
そんなときは、モチベーションを高められる音楽をBGMとして導入するのがおすすめです。
アップテンポでやる気の高まる音楽は、脳を刺激してくれるため、作業効率の改善に役立ちます。
実際に、業務中に作業BGMを導入し、社員の意欲が高まったことを実感している企業もあります。
社員の仕事に対する意欲を高めたいと感じているときは、作業用BGMを導入してモチベーションアップを促しましょう。
3.周囲の音をかき消す効果がある
仕事中に音楽を流すと、周囲の雑音をかき消す効果が期待できるため、集中して作業ができるようになります。
音にはマスキング効果というものがあり、2つの音が重なると、一方の音をかき消してくれます。
トイレに設置されている「せせらぎ音」や病院などで流れる「環境音」は、音のマスキング効果によって周囲に聴かれたくない音を漏らさない工夫として採用されているのです。
「周囲の音が気になって仕事に集中できない」「雑音がひどくて悩んでいる」という人は、仕事中に音楽を聴くことで、周りの音が気になりにくくなるでしょう。
下記記事では、BGMを流すことで得られるメリットを紹介しています。音楽の効果をより詳しく知りたい人は、参考にしてみてください。
4.リラックス感が得られる
音楽には、ストレスを軽減して心身の緊張をときほぐす効果があります。
仕事中に過度な緊張が続くと、交感神経が優位になります。この状況が長く続くと、不眠症状や鬱症状などが表れ、精神的に辛くなったり働けなくなったりしてしまうのです。
音楽には、副交感神経を刺激して自律神経の働きを整える効果があるため、ストレスによる緊張や不安を解消する働きがあります。
しかし、音楽のリズムによっては交感神経を刺激することもあるので、BGMの選び方には注意が必要です。
仕事によるストレスや不安を感じている人は、ゆったりとしたリズムのリラクゼーション効果が高い音楽を選びましょう。
体の緊張をときほぐし、リラックスしながら仕事が行えるはずです。
5.タイムマネジメントに役立つ
音楽は、タイムマネジメントに役立てることもできます。
人間の集中力は90分程度が限界とされています。集中力が高い状態で仕事をするためには、小まめな休憩は欠かせません。
そこで、おすすめなのが作業用プレイリストの導入です。
作業中に聴く90分間のプレイリストと休憩中に聴く10分間のプレイリストを流すことで、時間にメリハリをつけながら仕事を進められます。
また、人間は午前中が一番集中力が高く、午後になると集中力が低下する傾向にあります。
そのため、午前中は集中力を向上させる環境音やクラシック音楽、午後はアップテンポなジャズやボサノヴァを聴くのがおすすめです。
音楽をタイムマネジメントに活用することで、メリハリをつけながら仕事に取り組めるでしょう。
音楽を聴きながら仕事をする3つのデメリット
仕事中に音楽を流すことで、かえって生産性が低下することはないのか気になる人もいるでしょう。
音楽を聴きながら仕事をするデメリットには、以下の3つがあります。
- 曲によっては集中力が低下する
- 周囲の音が聞こえなくなることがある
- 否定的な意見を持つ人もいる
それぞれ、詳しく説明していきます。
1.曲によっては集中力が低下する
仕事の作業内容によっては、音楽を聴くことで作業効率が低下してしまうこともあるため注意が必要です。
たとえば、企画書やプレゼンの資料作成、情報収集などの頭を使う作業は、脳に大きな負荷がかかります。
この状態で音楽を聴くと、集中力や作業効率が低下してしまうことがあるでしょう。
また、資料の読み込みなどの情報のインプットを行う場合も、音楽が作業の邪魔になってしまう可能性があります。
とくに、歌詞のある音楽は作業の妨げになる恐れがあるため、おすすめしません。
頭を使う作業を行う際、どうしても音楽を流したいという人は、小さな音量にしたり、歌詞のない音楽を選んだりと工夫しましょう。
2.周囲の音が聞こえなくなることがある
仕事中にイヤホンやヘッドホンで音楽を聴いていたり、音楽の音量を大きくしたりしていると、周囲の音に気づけないことがあります。
取引先からの電話に気づけず、大切な連絡を取りこぼしかねません。
また、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴いていると、周囲の人は話しかけにくい雰囲気を感じるでしょう。
その結果、同僚とのコミュニケーションが減少し、仕事に支障が出る可能性も否定できません。
仕事中に音楽を聴くことで作業効率を上げられるというメリットはありますが、音楽を聴く方法や音量に気をつけなければ、大きなデメリットが生まれてしまいます。
仕事中に音楽を聴く際は、周囲の音に即座に対応できる音量や方法で音楽を聴きましょう。
3.否定的な意見を持つ人もいる
近年、働き方改革の一環として、オフィス内でBGMを導入する企業が増えていますが、職場や上司によっては、仕事中に音楽を聴くことをよく思わない人もいるでしょう。
作業効率向上を目的として、仕事中に音楽を聴き始めても、上司からの評価が下がってしまっては元も子もありません。
そのため、集中力を高めるために仕事中に音楽を聴いてみようと考えている人は、事前に職場で音楽を聴いてもよいか確認を取るのがおすすめです。
また、職場で音楽を聴くことが禁止されているのに、音楽を聴きながら仕事をしてしまうと、社内秩序に反しているとして、なんらかの処分が下される可能性があります。
仕事中に音楽を聴きたいと思っている人は、社内ルールを確認の上、導入を検討しましょう。
仕事中にこそ聴きたい!おすすめの音楽3選
仕事中にかける音楽には、具体的にどのようなものを選べばよいのか悩んでしまう人もいるかもしれません。
ここでは、仕事中におすすめの音楽を、以下3つのジャンルに分けて紹介します。
- ジャズやボサノヴァ
- Lofiヒップホップ
- ヒーリングミュージック
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
1.ジャズやボサノヴァ
朝や昼食後の眠気を吹き飛ばしたい、単純作業をリズムよく行いたいときには、ジャズやボサノヴァがおすすめです。
アップテンポなジャズやボサノヴァは、音やリズムにバラエティがあるため、聴いていて飽きることがありません。
インストゥルメンタルの楽曲を選ぶことで、「歌詞が頭に入ってきて仕事の邪魔をする」といったこともないでしょう。
また、ジャズは4ビートの楽曲が多く、適度なリズム感があり、リラックス効果も期待できます。
眠気を覚ましながらもイライラや焦りを解消できるため、仕事中のBGMにおすすめです。
仕事用BGMとしてジャズやボサノヴァを検討している方は、以下の音源をチェックしてみてください。
2.Lofiヒップホップ
Lofiヒップホップは歌詞のないインストゥルメンタルミュージックです。
そのため、音楽に没頭してしまうこともなく仕事に集中できるため、集中力を高めたい人におすすめです。
また、同じリズムが繰り返されるので、脳のリラックスを促す効果も見込めます。
ノスタルジックな感覚に陥るレコードのノイズ音や、誰もが聴いたことのあるジャズやソウルのフレーズをサンプリングしているため、親しみやすさを感じる人も多いでしょう。
また、Lofiヒップホップはあえてずらしたリズムを入れることで、楽曲に聴きやすさをもたらしています。
このような要素が組み合わさることで、聴き心地がよく、集中して仕事に臨めます。
Lofiヒップホップの楽曲を探している人には、以下の音源がおすすめです。
3.ヒーリングミュージック
「1日で最も集中力の高い朝に、効率よく仕事を行いたい」という人には、ヒーリングミュージックがおすすめです。
ヒーリングミュージックはリラックス効果が高く、落ち着いて作業が行えます。
正確性の高い仕事をしなければならないときに最適です。
また、ヒーリングミュージックには、雨音や木の葉のすれる音など、自然界の音が使用されています。
自然界の音には、1/fゆらぎと呼ばれるリズムがあり、心地よさを与えます。
さらに、リラクゼーション効果だけではなく、集中力や記憶力の向上、イライラの解消にも効果的です。
そのため、頭を使う仕事中に流す音楽を探している人に、ヒーリングミュージックはおすすめです。
ヒーリングミュージックの導入を検討している人は、以下の音源をチェックしてみてください。
まとめ
この記事では、音楽を聴きながら仕事をするメリットやデメリット、おすすめな音楽を紹介しました。
音楽を聴きながら仕事をすると、以下のメリットが得られます。
- 作業中の集中力が高まる
- 意欲が高まる
- 周囲の音をかき消す効果がある
- リラックス感が得られる
- タイムマネジメントに役立つ
仕事中にどのような音楽を流すか悩んでいる人は、下記の音楽がおすすめです。
- ジャズやボサノヴァ
- Lofiヒップホップ
- ヒーリングミュージック
仕事中に音楽を流すことで、集中力がアップします。
しかし、選ぶ音楽によって逆効果になる場合もあるので、注意が必要です。
この記事を参考に仕事中に最適な音楽を導入して、作業効率アップを目指しましょう。